深刻化する睡眠負債
睡眠障害は2018年6月に国際疾病分類に追加されるほど国際的にも大きな問題となっています。
日本人の睡眠状況
日本人の睡眠時間は世界の中でもかなり短いという結果が出ています。(表1)
そして睡眠を妨げているものはいったい何なのかというと男性は20歳から59歳までで全年齢層で仕事が上位2位までに入っています。
女性においても同じで2~3位には仕事となっている年代が多いです。(表2)
どの年齢層の人でも現在の睡眠負債は仕事が大きく影響していますね。
仕事の時間が長い人は睡眠時間が短くなるという傾向も調査により分かっています。
こういうところからも日本人は他の国の人に比べてよく働いているということがわかりますね。
睡眠の質の問題の中で最も影響しているものは睡眠時間が足りなかったということとなっています。(表3)
60歳を超えると中途覚醒の影響も大きくなっているみたいですが、やはり59歳までの多くの人にとっては睡眠時間が足りないということが問題となっています。
睡眠負債による経済損失
睡眠負債による経済損失のGDPの割合では日本が最も高いという結果があります。
睡眠負債がたまった人が多いとやはり仕事の質にも影響が少なからずあるということです。
また医者での調査もされています。
結果は当直明けの医療ミスでは7割近く、集中力の低下があった医師は8割近くいました。
このことから睡眠負債の影響は医者であっても顕著に出るということがわかります。
ここで実際に睡眠不足症候群かどうか見分ける診断基準(睡眠障害国際分類第3版)が表4にあります。
もし興味があれば少し調べてみてはどうでしょうか?
年齢相応の標準値はこちらの図の通りです。
まとめ
今回は睡眠負債について書きましたが、やはり現代人にとって睡眠負債と仕事の関係は切っても切れない関係であるということがわかりましたね。
睡眠負債は仕事が長い人の方がたまりやすく、仕事の効率は睡眠負債がある人の方が悪くなるという結果が今回わかりました。
私はこのことからいかに仕事の時間を短縮して効率よくすることがとても大切であると感じました。
参考文献:鷹見 将規,、角谷 寛、日本人における睡眠負債の現状・問題点、睡眠医療、12巻、3号、305-309、2018